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[TJOコラム]Super Bowl 2021/今年のスーパーボウル気になるライブ&CMまとめ
今年もやって来ましたアメリカ最大のスポーツイベント、スーパーボウル!
スーパーボウルとは:
アメリカ中、いや世界が注目するNFL(ナショナル・フットボール・リーグ)の優勝決定戦。今年は現地2月7日(日)にフロリダ州タンパのレイモンド・ジェームス・スタジアムを舞台に開催し、カンザスシティ・チーフスとタンパベイ・バッカニアーズが対戦した。試合はもちろん毎年ハーフタイム・ショーや合間に流れるCM(30秒の枠でおよそ5億円)も大きな話題になっていて、僕もこの音楽トピックやここで初解禁される映画の予告などを楽しみにしている。
今年はいつもと違う:
例年であれば6万人以上の観客を前に試合が行われるのだが今年は上限を2万5千人に減らし、うち7,500人あまりはNFLが感謝の気持ちをとしてワクチンを接種した医療従事者招待した。またCMもバドワイザーやコカ・コーラ、ペプシなどの常連の大手が手を引いたり、映画も公開しづらい状況で本数も少なかったみたいだが、それでも面白いトピックが沢山あったので、今年の注目すべきライブやミュージシャン絡みの気になったCMを紹介していこう。
紹介したアーティストの曲はSpotifyプレイリスト”TJO Crates”に追加したのでぜひ合わせて楽しんで
・ライブ編
・詩人Amanda Gorman
バイデン大統領の就任式での詩の朗読で注目を集めた22歳の若き詩人アマンダ・ゴーマンが試合前に登場。NFLがパンデミック下のヒーロとして名誉キャプテンに指名した教育者Trimaine Davis、看護師Suzie Dorner、海軍の退役軍人James Martinの3人のヒーローを讃える詩を暗唱し、メッセージを届けてくれた。スーパーボウルで詩の朗読パフォーマンスが行われるのは史上初だそう。
・H.E.R.による愛国歌”America the Beautiful”
みんな大好きR&BシンガーH.E.R.(ハー)が国歌斉唱前に必ず歌われるアメリカの愛国歌”America the Beautiful”を熱唱。しっとりした曲が印象強いのでギターもがっつり弾くパワフルなパフォーマンスに意外ながらも魅了された。
・Jazmine SullivanとEric Churchによる国歌斉唱
今年1月にリリースしたばかりの最新アルバム「Heaux Tales」でH.E.R.ともコラボしたR&Bシンガー、ジャズミン・サリヴァンとカントリーシーンで大人気のシンガー、エリック・チャーチが試合前にデュエットで国歌斉唱を披露。
・The Weekndハーフタイム・ショー
そして一番話題になっていたライブがこちら。
ラスベガスを彷彿とさせるセットの中央にあるの車に乗り込んでいるThe Weeknd。カメラが近づくにつれそのセットが騙し絵的に前後に分解されていくオープニングでもうゾクゾクきた。”Call Out My Name”のコーラス隊によるイントロから始まり、大都市をイメージした巨大なセットをバックに”Starboy”へ。”The Hills”は元々好きな曲だったけどバンドアレンジがこれまた最高で、後ろに従えたコーラス隊でより壮大な曲へと変貌していた。
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“After Hours”のイントロが流れたかと思うと本人はバックステージの奥へと消えていく。カメラが切り替わりステージの中は黄金色に輝く鏡張りの迷路となっていて、手持ちカメラのごとく揺れる映像に顔をどアップに近づけて歌うのは”Can’t Feel My Face”!途中で昨年11月のアメリカン・ミュージック・アワードでのライブでもお馴染みの白い包帯を顔に巻いたダンサー達(ネットで大量の変態仮面って言われてて笑った。)が現れカオスな状況に。(追記)ちなみに包帯姿はの元ネタは彼がアメリカン・ミュージック・アワードで初披露したもの。今年初めに公開された”Save Your Tears”のMVでは、その包帯を外し整形したような顔を披露し世間を驚かせ、この一連の演出についてインタビューで「包帯は人を喜ばせ、人に認められたいというハリウッドのセレブリティたちの馬鹿げた文化を意味するもの」だと説明している。今回のダンサーズの演出もその流れを表現していると言われている。そしてメドレー方式で楽曲はそのまま”I Feel It Coming”へと。ここは見ていてテンション上がってしまった。さらにステージの外に出て”Save Your Tears”からストリングス隊を加えた”Earned It”で鳥肌。
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そしてステージは包帯ダンサーズで埋め尽くされたグラウンドへ。”House of Balloons〜”からダイナミクなドラムが鳴り響き、スピードを上げてついにきました”Blinding Lights”!この繋ぎの部分、グラウンドで暴れまわる包帯ダンサーズ達の画も相まって間違いなくこのショーの中のハイライトの一つだったと思う。ここからはグラウンドを埋め尽くすダンサー達、そしてその後ろに見えるスタジアムの観客席、さらにグラウンド内を縦横無尽に忙しく切り替わるカメラワークと花火の演出で家にいながらも最高のカタルシスを味わう事が出来た。
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およそ14分に渡るショーの流れも完璧。ちなみにスーパーボウルのハーフタイムショーが出演料のギャラは無しで、ステージ演出で10億円の予算が出るらしいのだが、今年はThe Weekndがさらに7億円自腹を切って追加したという。ダンサーズが包帯と共に顔をマスクで覆い、しっかりとソーシャルディスタンスも取るなど配慮しながらも、毎年話題になるゲスト参加も無しで、一人でしっかりとエンターテイメント性に溢れた見事なパフォーマンスを見せてくれた。
(追記)また後で知ったのだがパフォーマンスと転換パートをThe Weekndの盟友でもある音楽プロデューサーOneohtrix Point Never(OPN)が手掛けていたというのだ。OPNはイギリスの名門エレクトリック・レーベルWARPからの作品リリースでその実験的なサウンドが高い評価を得ていて、近年ではThe Weekndも出演したアダム・サンドラー主演の映画「アンカット・ダイアモンド」のサントラを手掛けるなど映画音楽家としても活躍。去年リリースしたアルバム「Magic Oneohtrix Point Never」ではThe Weekndが共同エグゼクティブ・プロデューサーも務め、同作には彼が参加した”No Nightmares”も収録されるなど絶対的な信頼を寄せているプロデューサーである。
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セットリストはこちら
“Call Out My Name”(イントロ)
“Starboy”
“The Hills”
“Can’t Feel My Face”(イントロで”After Hours”ちょっと)
“I Feel It Coming”
“Save Your Tears”
“Earned It”
“House of Balloons/Glass Table Girls””
“Blinding Lights”
・CM(音楽編)
ここからはスーパーボウルで毎回話題になるCMの中からミュージシャンにスポットを当てたものを紹介。今年も大物バンバン出てます。
・The Weeknd (Pepsi)
ペプシは今年スーパーボウル内でのCMは出さず、ハームタイムショーへのスポンサーだけに集中したので、厳密にいうとこれはスーパーボウルで流れたCMではなく、その1ヶ月前から展開されていた告知CM。大ヒット曲”Blinding Lights”でノリノリになる街中の人々。屋台の親父からスーパーのバイト〜ドライヤーで髪を乾かす女性、地下鉄のお姉さんは歌が構内にまで響く始末。最後には駐車場の警備員がやってきた車に気付かないほどまでに。しかしその車の運転手をよく見てみると…。上記のThe Weekndのハーフタイムショーと合わせてみると間違いなくテンション上がるやつ!オープニングで子供がオモチャの木琴でメロディーを演奏するところからスタートする演出もイけてる。
・Drake (Stae Farm)
アメリカの大手保険会社”State Farm”のCMでは、NFLの選手達が自身達のスタンドイン(撮影の前に立ち位置や照明の位置の確認リハーサルを行う代役)についてトーク。なんとその代役でDrakeが登場。しかも「代役にはセリフないから」と言われてショボくれる姿も。さりげなくMARVEL映画「アントマン」のポール・ラッドが出てるのもポイント。
・Cardi B (Uber Eats)
Uber EatsのCMでは、1980年代末にアメリカの人気バラエティ番組「サタデー・ナイト・ライブ」から生まれた看板コーナー「ウェインズ・ワールド」が30年ぶりに復活。「オースティン・パワーズ」でお馴染みのマイク・マイヤーズとダナ・カーヴィが「Eat Local (地元の飲食店をサポートしよう)」というメッセージを発信するんだけど、CMでありがちな演出は使わないよって言いながらサブリミナル・メッセージを挟んだりコテコテな演出してみたり。そして「セレブのカメオ出演なんかに頼らないんだから、ねえCardi B」と言うと隣に突然Cardi Bが出現。最新トレンドなTikTok風の撮影してみたりと、今っぽいメッセージと終始ゆる目なムードが絶妙なCM。
・Post Malone (Bud Light)
スーパーに届かない「バドライト」ビール。それは運搬トラックが事故を起こして横転してしまったから。困るドライバーの前に現れる過去のバドライトのCMキャラ達。この登場シーン完全に「アベンジャーズ・エンドゲーム」ね(笑)。その中にいるのが去年のスーパーボウルでバドライトのCMに出演したPost Maloe。ちなみに途中で出てくるロックシンガーは映画「ロッキー3」の名テーマ曲”Eye of The Tiger”でお馴染みロックバンドSurvivorのヴォーカル、デイヴ・ビックラー。去年のポスティーのCM(脳内のみんなも同じタトゥーしてるのがウケる)も貼っておきます。
・DJ Khaled (Paramount+)
アメリカ大手放送局CBSが持つ動画配信サービスが、この3月から新たに「パラマウントプラス」として再スタート。その系列チャンネルに所属するキャラクター達が総出で映画のオープニングでよく見るあの「パラマウント・ピクチャーズ」の雪山を登るとそこには「スター・トレック」ピカード艦長が。スポンジボブからタートルズ、ジェームズ・コーデン、さらには貞子まで!その中にDJ キャレドが首からデッカいグラミー賞のネックレスをかけて登場。
・Shaggy (Cheetos)
スナック菓子の「チートス」CMには実際に夫婦でもあるアシュトン・カッチャー&ミラ・クニスが出演。こっそりチートスを盗み食べするミラに迫るアシュトン。その度シャギーのヒット曲「It Wasn’t Me(私じゃない)」と返し、本人まで登場。
・Lil Nas X (Logitech)
テック系企業のロジテックに出演するのはLil Nas X。新曲”Montero (Call Me By Your Name)”と共に「Defy Logic (従来のロジックに逆らえ)」というシンプルながら、”Old Town Road”で音楽業界の基準をぶち壊したゲームチェンジャーとして説得力あるメッセージを発信する。
・Lil Baby (Rockstar)
エナジードリンクのロックスターにラッパーのLil Baby。「本当のロックスターはスポットライトを追いかけるものじゃない。スポットライトが追いかけてくるんだ」
・Bruce Springsteen (Jeep)
最後はアメリカを代表する大御所ミュージシャン、ブルース・スプリングスティーンがジープのCMに。アメリカの分断をやめて再び一つになろうというメッセージ。最後のアメリカ地図に浮かぶ一つだけの星が印象的。
以上、ここまでスーパーボウルのライブとミュージシャン絡みのCMの紹介をしてきました。紹介したアーティストの曲Spotifyに追加したのでぜひチェックしてね。