[TJOコラム] R.I.P MF DOOM〜MARVEL x HIPHOP COVERART
僕ら世代にとって、ド真ん中に刺激を受けたラッパー&プロデューサーのMF Doomが亡くなった。
厳密に言うと昨年の10月末に亡くなったのを2020年の大晦日に家族が発表したもので、そう考えると去年は多くの才能を失った1年でもあった気がするなぁ。
MF Doom。何よりそのマスク姿の仰々しい姿からは想像出来ないソウルフルなネタから〜MadlibやJ Dilla、Daedelusなど界隈アーティストとの実験的なコラボまで、僕がDJを始めて間もない多感な時期に、沢山の素晴らしい音楽に出逢わせてくれたアーティストの一人だ。
改めて、ここで僕の好きなMF Doom関連曲5曲をSpotifyの”TJO Crates”プレイリストに追加したので、知らなかったって人にもぜひ聴いて知ってもらえたら嬉しい。
1. Madvillain (Madlib + MF Doom) – Accordion
その名の通りアコーディオンをサンプリングした曲。
ワンループの繰り返しだけなのにアコーディオンの持つ物憂げな音色が楽曲の切なさを強調し、当時、飛ぶ鳥を落とす勢いだったMadlibとのユニットのアルバムという何となくの理由でこのアルバムをゲットしたTJO少年の耳を釘付けにした1曲。
2. MF Doom – Arrow Root
僕にとってのMF Doomといえばこの曲。Metal Fingers名義でこういった素晴らしいインストばかりを収めた”Special Herbs”シリーズは出る度に楽しみにしていた。
これのBishop Nehruがラップをしてる”Elder Blossoms”ってバージョンがあって、それもよくDJやMixで使ってたなぁ。
3. MF Doom x J DIlla – LIGHTWORKS
元々はJ Dillaの名盤”Donuts”に収録されてたインストだけど、電子音楽家のRaymond Scottのダビーでトリッピーな音をこう使うとは！って初めて聴いた時ブッとんだ衝撃の1曲。
Doomしかり、Dillaしかりこの頃のプロデューサー陣の実験的かつ刺激的なサウンドで「サンプリングはアートになる」っていうのを身をもって証明させられたよな。
4. MF Doom – Deep Fried Frenz
これもネタ勝ち。オールドスクール・ラップの中でも大好きなWhodiniの”Friends”のフック+70年代のジャズ・フュージョンRonnie Lawsの”Friends and Strangers”のフレーズそのまんま。
なのにイントロからカッコ良い。ちなみに”Special Herbs”シリーズの”Myrrh”って曲でもある。
5. Daedelus x MF Doom – Impending DOOM
当時は主にハウス〜クラブ・ジャズのDJで、中でもBroken Beatsというジャンルに傾倒していたので、この曲のDomuによるRemixをヘビープレイしてた。
現場で一番かけていたDoom関連曲これかも。
そんなMF Doomの名前と仮面の由来は僕も大好きなアメコミのMARVELの「ファンタスティック・フォー」に出てくる名物悪役Dr. Doomからインスパイアされたもの。
MF Doomを聴き返していたらヒップホップとアメコミの親和性を思い出した。
Ghostface Killahのアルバム・タイトルが”Iron Man(アイアンマン)”だったり、The WeekndがMARVELとコラボして彼の作品”Starboy”をコミック化したり、ここ日本だとPUNPEE君のアメコミ好きは有名な話。
そんな中で以前MARVELがヒップホップの名盤をオマージュしたコミック表紙を展開していたんだけど、これが本当によく出来ていて。
Madvillainのアルバムジャケも、女性版マイティー・ソーになってたり、いくつかサンプルをアップするけど、ヒップホップ好きなら思わずニヤリとするレベル。
もし知らないよって人は以下に紹介したアルバムの中で好きな曲も4曲追加したので、オリジナルのジャケ写見て答え合せしてみてね。
・Madvillain (Madlib + MF Doom) – Madvillainy
・A Tribe Called Quest – Midnight Marauders
・Nas – Illmatic
・Jay-Z – The Black Album
・Kanye West – The Life Of Pablo
気になった人、リンク先にはまだまだ沢山ヒップホップ・オマージュ表紙あるからぜひチェックしてみて↓↓↓